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No Takarazuka No Life

宝塚星組七海ひろきさん宝塚大劇場をご卒業の千秋楽を観て

七海ひろきさんが宝塚大劇場を卒後した。
涙雨か…と心配されたお天気もカイちゃんスマイルが吹き飛ばしてくれた。
お芝居のプロローグから七海さんが登場されると割れんばかりの拍手と手拍子。
こんなに盛大な拍手、揃った手拍子を私は初めて聞いた。
カイちゃんの餞の銀橋のソロ。
結婚を決めて愛する人のために海から陸に上がる決意をしたトビアスに、宝塚を卒業するカイちゃんの思いを重ねた歌詞を歌わせる。
本当に毎度ながら宝塚の先生方の愛を感じる。
退団者の方がいるとどこにそんなセリフがあるか探すのも面白いのだけど。
最後に酒場を出て行くトビアスの「あばよ!」は完全に七海ひろきだった。
そのセリフが来るぞ、来るぞ、と分かっていても言われた途端堰を切ったような号泣が。
そのあと、本当は紅さんが泣かせる芝居をするのだけど今日はやりにくそうだったな。
ショーも、七海さんが登場した途端の拍手、手拍子が芸術的。
もはや前後の方の歌がかき消されるレベル。
七海さんの場面。
もうオペラで観たって涙で曇ってなにも見えないから精一杯手拍子するしかなかった。
いつも以上に歌詞が切なかった。
客席への投げキッスはキザって狙ったものではなく、「愛」「感謝」だった。
あんなにさりげない仕草に愛と感謝を感じさせてしまう、ひろきのお兄さま。
見れば見るほど、どうしてこの方はこんなに劇場中の全員から愛されて組子からも愛されて拍手がいただけるのに卒業するとか言ってるんだろう?
なぜトップスターになれかったのだろう。
"初めて宝塚を観たその日、私は宝塚に恋をしてしまいました。
それから宝塚にずっと夢中でした"
カイちゃんらしい表し方。
みんな最初はクスッて思ったけど、
"自分1人では決して見ることの出来なかった景色を皆さんが見せてくれました。
一切悔いはありません!"というご挨拶にすすり泣きが一層大きくなった。
ファンは、多分悔しいのだ。
トップスターではないがこんなにも人気も実力もある3番手さんの退団。
トップスターの卒業ならば寂しくて泣くファンはいても、
お疲れ様、今までありがとう
の、労いの気持ちの方が強い。
だが久しぶりの3番手でかつ、2番手を凌ぐのではないか?というほどファンの多い方のサヨナラショーも銀橋渡りもパレードもない退団。
悔しい。
カイちゃんにトップスターの景色を見せてあげたかった。
手を伸ばせば夢が叶うなんて甘いものではない。
…というけれど、手をこれでもかっって思いっ切り伸ばしたあともうちょっと先に夢がある、ということなのか。
この近さが余計悔しさを倍増させる。
東京公演はもう来週に始まる。
いよいよカイちゃんのラストランが。
七海ひろきさん、まずは宝塚大劇場ご卒業おめでとうございます。