清く 楽しく 美しく♪

No Takarazuka No Life

星組「霧深きエルベのほとり」

宝塚大劇場にて2019年の幕開け、宝塚歌劇105周年の幕開けの公演を観た。
演目は「霧深きエルベのほとり」
再演ものである。
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カモメよーーーー♪

有名なこの音楽はタカラヅカスペシャルなどイベントで耳にしている。
だが「作品」として観たとこがないため、情景や心情と結びつかない。
ポスター画像を見ても、船乗りの話かなぁ、程度だった。

巨匠、菊田一夫先生の作品
・・と言ってもたった20年来のファンでさえ知らない。巨匠のすごさ。
母は初演を観劇していて覚えているらしい。
きっと、そんなはるかに長く宝塚を愛しているファンの方がたくさんいるのだろうな。

今日、「ファントム」を観劇した東京宝塚劇場で、小川甲子支配人がいらしたのでご挨拶させていただいた。
3Kと呼ばれた時代。甲にしきの名で活躍されていた方だ。
私は残念ながら現役時代は存じ上げないのだが、母はやはりお見かけすると心踊るらしい。

感覚的にいうと将来、それこそ30年後とかに紅ゆずるさんが劇場の支配人になってお出迎えとか。
絶対声かけたくなるだろうなーー。
そういう感覚なのかもしれない(あくまで想像、というか妄想)。

「霧深きエルベのほとり」を見てきました!というお話をしたら私も観たわー、泣けたわーみたいなことをおっしゃっていた。
そして脚本(ほん)がいいから、とも。
号泣したらしい。
現代の感覚で捉えてはいけない世界観なのだよね、エルベは。
上田久美子先生がプログラムや歌劇で語られているとおり、初演当時というのは日本は右片上がりの高度成長期だし、
女性も言葉は悪いけれど「愚かさ」が可愛いとされた。

それでは現代の女性に共感を得られない、逆にいうと今の宝塚が現代の女性に共感を得ようとヒロイン像を変えてきたということを
上田先生は理解している。
それがいいとか悪いとかではない。

その時代の人間として生きよう、海の男として生きよう、お嬢様として生きようって
その役になりきり人生を生きようとする宝塚の生徒さんがすごいと思った。
どこから手をつけて良いか分からないようなたとえ自分とかけ離れた役でも
なんとか自分との共通点を見つけたり、近づこうとする努力。

特に今回はお稽古が大変だったと聞いたが
初日を観て合点がいった。
こりゃ大変だ・・・・と。

幕が開いたからといってそれで終わりではない。
まだまだ良いものを、高みを目指すために旅は続いていく。
そんな変化を見逃さないように、せめて全身を目にして観劇し、些細な変化にも気づけるくらいの気合いでいたいと思う。