前田裕二さんの「メモの魔力」が届き、読み終わった。
この本を読んだら誰しもメモを取らずにはいられないと思う。
私もメモはよく取る方だった。
入社して、とにかくなんでもメモを取っていた。
だいぶ後になって、当時の同僚がそのことを褒めてくれたことがあった。
見られていたことに驚いたと同時に、とても嬉しかったことを覚えている。
もう随分前になるけれども。
以前踊りを習っていた時も、メモを取っていた。
ステップの一つ一つをメモしていた。
先生に注意されたことも。
自分の感情がどうしようも処理できない時。
だいたい嬉しい時より、悔しい時や理不尽に思った時、思い通りに行かない時、気分が晴れない時。
紙に書きつけて思いをぶつけていた。
後から見返すととんでもない思い上がりに恥ずかしくなって捨ててしまう時もあれば
すっかり解決して笑顔で捨てられる時もあるけれど。
手書きの力って計り知れないと思う。
書いて覚える人だった。
漢字も英単語も書道も。
だが、それを発展的に使うことは考えたこともなかった。
ただ単に思いをぶつける場、備忘録として書いてきたメモだけれど。
こんなにも活用方法があったなんて、目から鱗だ。
なんとなく流れていってしまうことを書き留めておく愛おしさ。
人間は忘却の生き物。
全ての記憶を持っていたら辛すぎて生きていけないとも思う。
「あ、これ好きだな」「この曲素敵だな」「ここ行きたいな」というものは捕まえておきたい。
そうしたらもっともっと1日が濃くなると思う。
まずお気に入りの文房具を揃えることから始めたいけれど。
とりあえずスマホのメモ機能でつけ始めた。
思えば年間たくさん観劇して素晴らしい舞台を観て心が動くのに、それが流れてしまっていくのが嫌で始めたのがこのブログ。
「観劇なんてただ楽しく観てたらダメなんですか?」
って言われたけれど。
いいと思うよ。それが一番大事なことだと思うし。
でも生身の人間が命を削って発しているエネルギーに対して何かしら心が動いて、芽生えた感情を、そのままにしてしまうのでは
あまりにもったいなくないかい?と私は思ってしまったから。
ここから何が生まれるか、とっても楽しみだ。