”月組大劇場公演の休演者のお知らせ”
宝塚歌劇の公式ホームページに載ったニュースに震撼した。
宝塚大劇場で公演中「エリザベート」で2番手男役スター、フランツを演じる美弥るりかさんが休演してしまった
美弥さんの代役には3番手男役スターの月城かなとさんが入り、ルキーニは新人公演で演じた風間柚乃さんが。
ルドルフ・エルマー・シュテファンはもともと役替わりだったが固定となり、シュテファンには彩音星凪さん。
ルキーニのような出ずっぱりの役だと順当に番手を繰り上げる対応はできないため、新人公演の方が入るのだろう。
美弥さんの代役はやっぱり月城かなとさんだったのね。
影響は当人だけではない
お衣装部さんは衣装を全て代役の方のサイズに補正
晩年のフランツまで演じるため鬘や髭の調整も必要。
演者本人がセリフが頭に入っている、といことはおそらく序の口にすぎず、歌の確認、立ち位置、振り付け、フィナーレの大階段の位置、パレードの降りる順番まで全てが変わる。
照明や音響にも影響するし、歌い出しのきっかけとなっているところがあれば指揮の先生との確認も必要だろう。
当たり前ではない
「一人の休演者を出すこともなく無事に終えることができました」
毎公演千秋楽になると必ず組長・座長の挨拶に出てくるお決まりのこの言葉。
休演者が出ないことは当たり前のようであって当たり前はないことを思い知らされる。
1ヶ月という公演期間、お稽古中を含めるとさらに長い公演期間に体調管理、怪我の予防など体が資本・商売道具といえ生身の人間。
休演しない、ということは舞台人として大切な要素なのだ。
休演していい人なんて一人もいない
役のついていないような、セリフのないような下級生なら休演しても影響はないか?
0番から30番くらいまで舞台には番号がふってあり立ち位置が決まっている宝塚。
ラインダンスだって一人抜けたら一人分詰めればいいとかそういう単純な問題ではない。
私も群舞の経験があるから分かるが、立ち位置一つ違っただけで見える景色が変わり、移動距離が変われば曲の合わせ方も難しくなる。
フォーメーションの美しさもこだわって作られている舞台。
ただの一人も欠けてはならないのだ。
貴重な代役公演を観たいのもファン心理
口では心配だね、大変だね、と言いながら「観たくてしょうがない」というのが正直なところ。
チケット救済・交換サイト「おけぴネット」には交換希望の公演にこの週末の日程を指定する方が急に増えた。
「代役公演期間中のエリザベート」なんて露骨に指定している方もいる。
当日券もいつも以上に並んでいるに違いない。
昨日は月城さんがイメージキャラクターに就任したばかりの「加美乃素本舗」の貸切公演だったよう。
幕間抽選会に月城さんが登場する予定だったが急遽それは叶わず。
それでも貴重な回が観劇できたに違いない。
美弥さん、1日も早く復帰できますように。