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No Takarazuka No Life

雪組「凱旋門」観劇

私が宝塚に出会ったのは1999年夏。
東京宝塚劇場が工事中のため仮設のTAKARAZUKA1000days劇場だった。
宝塚をもう1回観たい!と私の2作目として出会ったのが「凱旋門」。
この作品で宝塚に本格的にハマった。
「凱旋門」ふたたび。東京宝塚劇場で上演中。
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轟 悠さん降臨

ダブルトップとして専科の轟さんが主演に降臨するのは大劇場公演では2014年星組の「The Lost gloryー美しき幻影ー」以来。
望海風斗さん、真彩希帆さんの2作目になぜ・・・。
今一番勢いのある望海さんがボリス役ではあまりに役不足ではないか。
聞けば望海さんが演じるために初演よりは場面や歌を増やした演出にするという。

「凱旋門」の世界

1930年代のフランス・パリ。幕が開くとそこは雨が煙り凱旋門が遠くに見える。
あぁ懐かしい。
シャンソンが流れアコーディオンの響きがすでに物哀しく切ない。
ドイツからの亡命者ラヴィックと女優志望のジョアンが様々な事情と環境に翻弄されながらも惹かれあい愛を貫こうとする。
他の亡命者の生き様、ナチスの影、友情、愛情。人間模様が描かれる。

初演の印象

印象に残っているのはやはり轟悠さんのラヴィック。
彫刻のような日本人離れした彫の深いお顔立ちに金髪、スタイル。
ハスキーな声、女性をリードする身のこなし。
スーツものの宝塚のお芝居を初めて観た私は衝撃を受けた。
男性にしか見えない・・けれど男性じゃないし、なんて美しいのだろう。

さらに、相手役のジョアンを演じる月影瞳さんがとにかく美しくて。
顔も声も仕草もすべてが美しい。
月影さんを観たくて通っていたところもある。

ジョアンは最高にいい女でなければならない

そうだ、「凱旋門」はジョアンが「大人のイイ女」でなければ成立しないのだ。
2人の男から愛される、自由奔放でまるで猫のよう。
愛がなければ生きてはいけない、と気ままに甘えるが束縛されるのは嫌い。
ラヴィックが国外追放になって、病に倒れて戻ってこれない間寂しくてほかの男と付き合ってしまう。

あ!シャロン!
柴田侑宏先生といえば「琥珀色の雨にぬれて」。
シャロンというこれまた奔放な美女が出てきて男を翻弄していた。
以前は大人っぽい雰囲気を持つ娘役が多かった。
渚あきさんを最後にいなくなった気がする。。
男役トップが若くなっているため娘役トップもかなり若くして就任する方が多い。

再演にて。

轟さんは正直大劇場公演はもうきついのではないか。
楽しみにしていた「雨の凱旋門」声が掠れ過ぎていて高音も聞いていて辛い。
お芝居も大仰で。
同じ作品を同じ方が演じることで時代が変化したことを残酷に感じる。

真彩さんはなんとこの1年で前述のシャロンもジョアンも演じているがどちらも大人っぽさ、色気が課題。

彩風咲奈さんのアンリも役不足。彩風さんが「優しい男」を演じてしまうとどうもネモ船長になってしまっていけない。
個人的には荒々しい役の方が好き。
彩凪翔さんの病院の院長ヴェーベルは落ち着いていていい感じだったが、こちらも場面が少なくもったいない。翔さんはお芝居が上手い。

演出を変えたとはいえ望海ボリスはやはり役不足だったのではないか。
消化不良だった。望海さんはラヴィック役でぜひとも観たい。

重厚感のある歌と芝居で支えたのは専科の美穂圭子さん。
亡命者を泊めるオテル・アンテルナショナールの女主人として、場面を引き締めていた。

よかったのはやはり若手

スペインからの亡命者ハイメ役の朝美絢さんと彩みちるさんのカップル。
印象派の絵を売れると信じて後生大事に持っているローゼンフェルト役の永久輝せあさん。
ダンスシーンでも活躍していた。
綾凰華さんも情夫、ナチスなど何役かこなしこちらもダンスシーンで目立っていた。
今回は髪型も素敵で大人になったなという印象。

「いのち」は名曲

作詞:謝珠栄・柴田侑宏 作曲:寺田瀧雄
自然と涙が出る曲。このコーラスにはぞくっと鳥肌がたった。
振付・演出が謝珠栄先生のため心情をダンスで表現する場面が多いが雪組はダンサーが揃ってる。
暗いし帽子をかぶると顔が見えずらいのが残念だが。

「戦争が終わったらフーケで会おう」
いつかフランスに行き私もフーケに行ってカルヴァドスが飲みたい。