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No Takarazuka No Life

宙組「ウエストサイドストーリー」@梅田芸術劇場メインホール

2018年1月に真風涼帆さん、星風まどかさんのプレお披露目公演として上演した「WEST SIDE STORY」。
役替わりして梅田芸術劇場メインホールにて公演中。
今回のバージョンの配役がいい!と開演してからチケットが品薄になっているらしい。
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主な役替わり

ベルナルドに愛月ひかるさん(前回は芹香斗亜さん)
アニータに桜木みなとさん(前回は和希そらさん)
リフに澄輝さやとさん(前回は桜木みなとさん)

生演奏の魅力

客席前方部分にオケボックスを設置。
国際フォーラムも生演奏だったが、今回も1−3列目くらいの前方席地下にオケボックスが設置されてていた。
指揮は三崎めぐみ先生。
映画の世界、ニューヨークの下町にタイムスリップするように音楽に誘われる。

やはりアニータ

宝塚版ウエストサイドストーリーの目玉と言っても過言ではない。
プエルトリコの姐御アニータは男役が演じる。
そのダイナミックさ、混血のワイルドさ、大人の色気は、男役が演じることによって迫力とパンチが増す。

過去、月組時代には樹里咲穂さんのアニータが印象に残っている。
国際フォーラムでは和希そらさんが演じ、弾けるダンスと歌、色気で際どいセリフにドキドキした。

今回は桜木みなとさんが、初の女役に挑戦。
これがなんともいいオンナで。
踊り、歌、美貌、スタイル、色気。
愛月ひかるさん演じるベルナルドとの並びも美しく、濃厚な絡みもバランスもよく、トニーとマリアの爽やかな初々しいカップルとの対比がよかった。

「アメリカアメリカ」のナンバーでもよく踊り歌っていた。
女子たちに混じって(桜木さんも女子だが)カッコよかった。

男役の底力

男役がヒールのないスニーカーでデニムを履いてこんなにスタイル良く存在できるなんて。
”白シャツにデニム”というごまかしのきかない潔いスタイル。
男性でもスタイルに自信がないと躊躇してしまうファッションで難易度が高いのではないだろうか。
身長は補正しようがない中でどこも補正せずにあの美しさと頭身で着こなすタカラジェンヌの底力を感じる。
スニーカーの愛月さんに合わせて桜木さんのヒールは低めだったな。

共演者

ベルナルドは芹香さんもよかったが、愛月さんの方が似合うように思う。
愛月さんはラテン系が似合うのか、浅黒肌が似合っていた。顎もメイクで割っていた。
ダンスもスタイルも良い。
ちょっと舌足らずなセリフ回しに癖があるのだがそれも気にならなくなってきた。
やはり力のある人だ。

リフの澄輝さやとさん。
大事な役どころなのだがトニーとの親友感があまり感じられなかったのが残念。
凛城きらさんは胴布団をたくさん入れたクラプキー巡査役。
凛城さんにはジェット団かシャーク団のどちらかの主要なメンバーに入って欲しかった。
刑事を演じるなら寿つかささん。よく見るな、この人のこういう姿・・・イメージ?

金網を軽々と越えるアクロバティックな動き、コーラスを崩すことなく質の高いダンスにも下級生までクオリティが高かった。

トップコンビは変わらないが大劇場公演を経て硬さがなくなったように思う。
特に星風さんは落ち着きが出てきた。

桜木みなとアニータvs和希そらアニータ

どっちがいいとかではない。どっちも信じられないくらい魅力的だった。
あえていうなら桜木さんの方が雰囲気としてだいぶ大人に見えた。
それが妹のようにマリアを心配し見守る姿勢と包容力に表れていてよかった。
マリアがより幼く見えることで大人になって行く成長過程がよりくっきり出ていたと思う。

近い再演は後に演じる方が格段に分が悪いのだが、今回のウエストサイドは同じ作品ながら主要なキャストが鮮やかな変化を見せとても楽しめた。
上演は8月9日(木)まで。