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No Takarazuka No Life

星組「ANOTHER WORLD」「Killer Rouge」千秋楽

東京宝塚劇場の星組公演が終わった。
6月22日(金)から7月22日(日)のちょうど1ヶ月間の公演。
例年より早く梅雨が明け、猛暑・猛湿気の中の公演。
あぁ夏が終わった気分。
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不安しかなかった

昨年、この大劇場作品のタイトルと内容、演出家谷正純先生、と聞いた時嫌な予感しかしなかった。
谷先生といえば2017年9月の雪組彩風咲奈さん主演の日本青年館公演「キャプテンネモ」でちょっとトンチキなお話を書かれてびっくりした直後だった。

3つの落語「朝友」「地獄八景亡者戯」「崇徳院」をモチーフに作品を作る。
調べると「朝友」には閻魔大王が出て来る。
まさか宝塚の2枚目スターに閻魔大王を演じさせるのか!?
さらにポスターが公表され、さらに不安は募った。
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なんの話か想像もつかないポスター

じわじわ来る

104期生のお披露目公演として宝塚大劇場で幕が開いたのは4月、ゴールデンウィーク。
練られた構成、ネタの数々。際どいセリフやブラックユーモアなど。
宝塚の枠を超えた星組にしかできない、紅さんにしかできないお芝居に驚いた。

同時に、これはチャレンジングだなと思った。
吉本新喜劇のような、新たなジャンルに挑戦とファンが好意的に受け取るか、ちょっと砕けすぎると否定的な意見でみるか。

またありがちなのがネタが覚えられてしまってリピーターの観劇に耐えられるか?ということ。
分かりやすく笑えるネタだと展開に慣れてしまって次第に笑いが薄れてしまうリスクがある。

なのに、何度見ても結局笑っていた。
大真面目にやっている演者に思わず吹き出してしまう。
慣れずに演じている役者、本当にプロフェッショナルだ。

退団者2名。

十碧れいやさん。2007年初舞台。
長身とまるで王子様のような甘いマスクとスタイル。
ダンスはバレエの基礎がしっかりできているまるでお手本のような美しい踊り。
宝塚のザ・正統派男役といった佇まいであった。
ただ、使われ方が難しかったか。

近年は悪役も続いたが、怖く見えない。
どうも「おっきなライオンの赤ちゃん」のような可愛らしさが邪魔をしていた。

卒業公演となった今回は花道でせり上がり1人銀橋渡りと場面をもらった。
宝塚の愛を感じる。
いつも不安定なお歌ではあるが、千秋楽の今日は特に涙で歌が揺らいでいた。
ペンライトを振ってあげたいような十碧さんを包み込む視線が本当に温かかった。
お芝居でも拍手の鳴り止まない場面があって、劇場中の涙を誘っていた。
みんなから愛された「ポコちゃん」十碧さんの人柄。

白鳥ゆりやさん。2010年初舞台。
ダンサー。お母様がバレエスタジオ主宰で物心ついた時からスパルタだったらしい。
こちらもお芝居は2番手とともにほぼ出ずっぱり、ショーでも場面をたくさんもらっていた。
白鳥のごとく真白になって飛び立った。
あの世に行っても(だいぶ先だとは思うが)冥土歌劇団に入団してくれるらしい。
頼もしい限りだ!

「Killer Rouge」は続くよどこまでも

どこまでも・・・は続かないが、台湾公演の千秋楽11月5日までは続く。
星組はこの「ANOTHER WORLD」「Killer Rouge」が2018年唯一の全員揃った公演だった。
年明けから3つに分かれていたし、この後も別行動が続く。
次の星組の各パーティも注目したい。
しかしまずはみんなお疲れ様!!ちょっと休もう。