清く 楽しく 美しく♪

No Takarazuka No Life

トークスペシャル星組 in東京『ANOTHER WORLD』

本当によい話を聞いた。
こんなに穏やかでありながら内容の濃いトクスペは初めて。
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出演者について

今回のゲストは漣レイラさん、華雪りらさん、天飛華音さん。
1番年長が研11の漣レイラさんで、順に4学年ずつ離れているという3人。
正直、話が盛り上がるかちょっと心配だった。
このようなトークショーは初めての方ばかり。
天飛さんにいたってはお茶飲み会もいまだ開催されていないから、お客様の前でフリートークをする経験もほとんどない。

ところがとんでもない誤解だった。

漣さんの話がとにかく深いのだ。
話すトーンはおっとりと穏やかだが、的を得ていて。
ひとつひとつ誠実に言葉を選んで話される珠玉のエピソードの数々。
下級生達が話しやすいように上手に話を振りつつ、目立とうとするわけでもなく、自分が、という空気もなく。
大変謙虚な方だと感じた。
進行がアタマに入っているのかと思ったほど、竹下さんの先を行く話の展開。竹下さんもやりやすかったに違いない。

お芝居の役づくりについて

漣さん:チョンパの若衆役は男役の憧れ。過去2回の和物では若衆として出られなかったので今回は嬉しい。美しく、所作などに気をつけている。
右大臣は、”人間ではない役づくりを”ということで考えた結果、衣装にも描かれていたドラゴンからイメージ。
顔に色を付けてしまうと別の意味を持ってしまうと困るので、鱗で表現しようと洗濯ネットの網を押し当てて鱗を表現した。ぜひオペラで見て欲しい。
ちなみに左大臣の紫藤りゅうさんは番犬、犬イメージだそうで動物コンビ。

華雪さん:美人座は清少納言として出ている。化粧は雪組からきた桜庭舞ちゃんにお願いして妃華ゆきのさんに教えてもらった。
白塗りも単色ではなくピンクのグラデをつけて桜の花びらのようなベースを作っているという。研究中。

天飛さん:本公演の青鬼は歌舞伎の隈取りをモチーフに、青いシャドウを水で溶いて書いている。
ちょっとの角度でも印象が変わるから、カマキリ→ピエロとダメ出しされ今に至る。
慣れるまで同期でも判別が付きにくい。ファンの方からも「見つけられませんでした」というお手紙をいただく(笑)。

新人公演

天飛さんは新人公演で2番手礼真琴さんの役に大抜擢された。
実際、公演を観た時にあまりに声や仕草が似ていて驚いた。
学びたい!と夢中で追いかけるとつい似てしまうのだろうか。
天飛さんの反省点としては、つい力が入ってしまったので芯はあるけど力の抜けた演技がしたいらしい。
あと、本公演のお着物のお衣装が本当に重たくて、思うように足が出せなかったらしい。
礼さんには歌のことをたくさん、たくさん教わった。

暴露しちゃう

ここで、漣さんから、天飛さんが目覚ましに礼さんの歌を設定している時期があったことをバラされ大照れする一幕が。
ちなみに曲は「ベルリン、わが愛」より「Ich liebe dich」

「朝から、愛しています、で始まるんですよ♡おススメです!」by天飛さん

…いや、そんな笑顔で言われましても。この曲と声では寝てしまうがな。

そのくらい大好きなこっちゃんの役ができて嬉しいだろうな、と思って。と、優しい漣さん。
礼さんからは天飛さんを可愛がっている様子もよく聞いているそう。

冥土歌劇…団!

天飛さんは冥土歌劇団のロケットに参加しているが、実はこのロケットは今までで1番見れる!とお褒めの言葉を頂いたそう。
いつもオカマに見えるんだって。
密かに打ち明けられた悩みに漣さんも、実は同じ悩みをずっと抱えていたらしく激しく同意。
今回のロケットは肩にケープもついてるし、より男役らしくいかつくなってきたカラダも程よく隠してくれるのでしょうね!

104期生初舞台公演でした

星組はおととし、初舞台公演があったばかり。
その時初舞台を踏んだのが現在研3の天飛さんたち。
漣さんに心境を伺うと、もう3年も経つのかという思いと、自分は94期だから10年経ったんだ、という思い。
その時も今回も振付が若央りさ先生だったので感慨深い。

今日一番心に残ったいい話

チェイサー(ロケットの最後に銀橋に並んで足上げした後、前の人に繋がって一列になって退場する)は今回ないのだが、このチェイサーには先頭の人の前には1つ前の学年の人が、最後尾の人には次に入ってくる人が繋がっているんだよ、という話を若央先生からしていただいたというもの。
今回チェイサーは入っていないけれど、その気持ちでやって欲しい、と。
宝塚って初舞台ロケットからちゃんと「伝統のバトンを繋ぐ振りとマインド」が込められてるんだ。
この話を聞いた時本当に鳥肌が立つほど感動して震えた。

ショーで好きな場面は?

天飛さんは第3場。ちなみにここは、漣さんも出てる。
華形ひかるさんを中心に男役8人くらいが銀橋で、色気丸出しでお客様を釣りまくる…いや、触れ合う場面。
花組出身、花男の華形さんからエキスを学んで星男の自分たちの魅力と合わせてさらに魅力的にしたい、と意欲的。

客席参加型はぜひ参加していただきたい

せっかく途中で振りの練習をしても、大劇場フィナーレではおとなしく静かに観ていたお客様。
紅さんが「みなさんご一緒に!」という声掛けを1つ入れた途端、9割以上が一緒に振りをしてくれてすごく嬉しい。
ちなみにパレードで花道にいる漣さんは、振りをしてくれないお客様を見つけると凝視するらしい。
そうすると渋々?右手を挙げて踊りだすお客様も多いとか。
そんなん見つめられたらしないわけにいかない。

芸名の由来

漣さん:さざ波は細かい波がたくさんたって、途切れない。そのさざ波のように途切れず、歌と宝塚が広がっていったらいいなという意味を込めて。自分もそんな存在になりたい。

華雪さん:華は本名に入ってる。あと二文字は平仮名で。読みやすいのが大前提で母と相談してこの名前。

天飛さん:奏音は本名から。天、という字は縁あってよく使っていて、天◯奏音、まではすでに決まっていた。あと一文字どうするか。で、飛んでみた。
ちなみにご両親が宝塚ファンだそうで初めて観た作品は月組霧矢大夢さん「バラの国の王子」(2011年)

今日の衣装

漣さんが着ていたスーツはこの公演で退団する十碧れいやさんからいただいたもの。
男役は全部ここに置いていくよ、と頂いたらしい。形見分け(涙)。
それを着てくる漣さん素敵。

星組の良さとは?

生徒がみんな宝塚が好きと言うことはどの組でも共通していると思う。
だけど、専科さんや他組からゲスト出演された方に言わせると、"星組は客席が熱い”。
私もそれは思う!
組子とファンが同じ熱さで走っている。それが星組。一心同体だね。

漣さん、素敵!!!

こんなにも、こんなにも星組のことを、宝塚を愛している漣さん。
しかもそれを言語化して人に伝えられる力をお持ちである。
舞台では熱いが話し方は穏やか。
漣さんにこれからもずっっとこんな風に冷静に星組を観察して、時々お話ししてほしい。
これからの星組を支えて欲しい。
漣さん、ありがとう!!!