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No Takarazuka No Life

宝塚宙組「群盗」日本青年館観劇

宙組日本青年館公演「群盗」を観劇した。
小柳奈穂子先生、大好きな天彩峰里さんヒロイン、瑠風輝さん2番手!というのが理由。

宙組ほとんど見ていないので、芹香斗亜さん合わせてこの3人くらいしか分からないというのもある。
でも、なんとなく面白そうだ、と思った。

実際始まってみるとどんどん物語の世界に引き込まれた。
原作は読んだことがない。
要は瑠風さんが悪役で瑠風さんの陰謀に嵌る話ね。くらいの予備知識。ひどい。

貴族の爵位を継ぐ、継がない、の話。
突然現れる異母弟。
その異母弟と策を巡らせるのが同じように日の当たる道を歩くことができなかった王の弟。
恋物語ももちろんある。
幼馴染でいとこ同士のアマーリア。
天彩さん演じるアマーリアは自分の信念に従い、命を賭けてカールを愛した。
男役(少年役)を演じることが多かったじゅっちゃんのヒロイン、めちゃくちゃ嬉しい。
昨年和希さんのコンサートでヒロインを演じ、大人っぽくなったなと眩しく見ていた。
私の中ではいまだに阿弖流為の「兔穂名」なんだけど。
そんな、じゅっちゃんに失礼すぎる。

王の役を演じた凛城きらさんが抜群にうまい。
晩年、カールを勘当してから気が触れてからの演技がまた秀逸だった。
太陽のような兄に嫉妬し憧れたフランツ、王位継承で幼い頃から運命を呪っていた王の弟、そして王。

王の弟の「なぜ私はあなたではないのか。なぜ私はあなたより先に産まれなかったのか。なぜ私の足は曲がって産まれたのか」

悲痛な叫びについ同情してしまう。
感情を移入する先が多すぎてどっぷり疲れてしまった。泣いたし。

本当の父のようにしたってきた王が死に、父も死に、フランツも死に。
愛するカールとは結ばれないことを悟ったアマーリアは、殺してくれ、頼む。
またここのセリフが痺れる。
気が強そうなじゅっちゃんにぴったり!

「私を殺して。(誰も動かないと分かると)誰も私の願いを聞いてくださらないの?
意気地のない群盗ね。なら自分でやるわ!」

それを聞いて、カールが「俺がやる」と。
愛する恋人は俺の手で殺す、と。

抱き止めて、キスして、そのまま刺すという、痺れるような場面だった。
アマーリアの「ありがとう・・・」にも泣けた。

下級生ばかりで知ってる人がいない。
でもみんな頑張ってた!
群盗って悲しいお話なんだけど、面白いお話だな。要はネズミ小僧なんだけどさ。
あまりにも駆け足だったのでもう少しお話をじっくり深く広げてほしい部分もあった。

瑠風さんはちょっと影のある役も似合うんだな
両方できるって最高じゃない。
フィナーレでも超かっこよかったし!