清く 楽しく 美しく♪

No Takarazuka No Life

月組バウ「アンナカレーニナ」

神々しい。
後光が差している。
フィナーレで最後に真っ白の軍服で颯爽と現れた美弥るりかさんに思わず息を飲んだ。
f:id:yukopom:20190119182804j:plain

実は初めて観たアンナカレーニナ。
心に刺さるセリフがたくさんあった。

後悔しているのか、と問われたアンナが
「もう一度全部やり直せるとしても、一つ残らず同じことをするわ」

ヴィロンスキーのライバルで将来も名声も栄光も全てを持っているセルプホフスコイが、アンナを失って戦地へ赴くヴィロンスキーを見送り
「こん棒で打ちのめされたくらい敗北感を感じる」

ヴィロンスキーに恋していたキティは堅実に自分を愛してくれる男性と結婚し、家族も幸せ、子供も生まれる。
アンナとカレーニン、アンナとヴィロンスキーと対照的な幸せの図。

激しくお互いを求める愛
相手の幸せを心から願う愛
カレーニンの大きく包み込む愛

カレーニンが一番好きだなって思った。
ビジュアルがタイプなことはもちろんだが。
アンナの心が自分にないと分かっていても法的に夫婦としておくことで彼女の最後の支えになってやりたいという大きさ。

今のカレーニンなら喜んで戻るなぁ、私なら。

海乃美月。こんなに綺麗だったかしら、というほど美しく輝いていた。
「カレーニン夫人」として清楚で貞淑で良き妻を演じてきた彼女がヴィロンスキーと出会い激しい恋に落ちる。

8年連れ添ったカレーニンに「私の知らない女」とまで言わしめる。
上気した頰、輝く瞳。まったく人妻の色気に不倫の色気と艶めかしかった。
アンナとヴィロンスキーの間に生まれた子を我が子として育てるという決意。

ちょっと蘭世恵翔さん使いすぎじゃないかなぁ、と。
執事でベル鳴らしていたかと思ったら舞踏会で紳士で出てきて噂話なんかしてたと思ったら、セリョージャって、カレーニンの子供役じゃないの!
出演者が少ない公演では何役もすることは当たり前だけれど、彼女は少しお顔に特徴があるので、イメージが。。。
観客的には混乱した。

個人的に一番驚いたことは五峰亜季さん。
五峰さんは紫吹淳さんと同期でダンサーだった。
年相応というか・・・かなり貫禄が出られた感じ。

千秋楽のライブビューイングは私は残念ながら見ることができない。
でも原作はいつか触れてみたいな、と思った。
この作品ならば外部の舞台でもなく、いずれ宝塚でまた再演されるだろうから。

と思った時に、「あ、礼真琴さんのヴィロンスキー伯爵が、見たいな」と思ってしまった私。
カレーニンじゃないのよ、あの方は。
ヴィロンスキーのような情熱的なタイプが似合うと思う。
ということで劇団さん、お願いします、礼真琴さんにヴィロンスキーを。