清く 楽しく 美しく♪

No Takarazuka No Life

クオリティが高すぎた新人公演 宝塚月組「エリザベート」

クオリティが高すぎた
いつぶりだろう、こんなに感動した新人公演は
一生懸命さやまっすぐさなど技術とは違う面で感動するのがいつもの新人公演だが
新たに役が登場するたびに涙した新人公演だった
f:id:yukopom:20181111224525j:plain

風間柚乃ルキーニは本公演でやったくらい

ストーリーテラーであり、出ずっぱり。
正直、この役の出来で芝居の印象がガラッと変わるくらい重要な役。
風間柚乃さんは新人公演主演も経験しているし、本公演でも大きめの役が付いている。
9月に美弥るりかさん休演により急遽、本公演でも演じてしまった大物。
幕開き、登場した途端まず涙。
なにこの不敵な笑みは。すでに世界が作り上げられている。
ギラギラした瞳に、狂気を感じる。狂言回しがとてもいい。
夏目雅子さんの姪御さん。
完璧なルキーニだった。

トート役、暁千星さん

喉を痛めていたのだろうか。高音が掠れて心配になったが最後までよく頑張った!
本役、珠城りょうさんに劣らない体格。
歌・ダンスともに見応えがある。
バウの主演経験も、新人公演の主演経験も豊富。
「最後のダンス」を歌い上げた後の拍手が止まず、ショーストッパーかと思ったほど。
熱唱。
あのカツラとメイクをするとなにかが降臨するのだろうか。
普段の可愛らしい暁さんの面影はなかった。
大人っぽく怪しい立派な黄泉の帝王だった。

エリザベート、美園さくらさん

タイトルロール、エリザベートというだけあるが・・・美園さくらさんの独壇場だった。
ただ、鼻につくような感じではない。
若い時と晩年の演じ分けも上手い。
歌い出すと同じになってしまうのだが・・。
この公演で愛希れいかさん退団後、時期トップ娘役就任が決まっている。
旦那さま(珠城りょうさん)は客席から見守っている。
エリザベートは色々「出てって…!」といって男たちを追い出しまくるのだが、この使い分けが絶妙だった。

ダークホース蘭世惠翔さん

歌う機会がエリザベートまであまりなかったのではないだろうか。
今までも芝居ではよく登場していたし、色々な場面で使われていた。
まず本公演のチビルド(ルドルフ少年時代)役であまりに歌が上手く、クリアボイスで驚いたのだけど、新人公演でマダムヴォルフ役ですと!?
皇太后ゾフィー初め取り巻きたちがエリザベートに対抗して呼んだ娼館のマダム役。
メイクや衣装含めてどぎつい役だが歌唱力も必要とされる。
ルドルフと打って変わって、パンチとドスが聞いた歌も抜群だったが娘役に転向したら?というくらい美しかった。
さすが。。メイクなどで君島十和子さん(実のお母様)のアドバイスはいただいたのだろうか。
宝塚はメイクが独特だからそれはないかな。
次回公演あたりではエトワールをされそうな予感だ。

隅っこまで上手い

「芝居の月組」なんて言われる。
舞台のどこいても。名前も分からない方がほとんどなのだがそれぞれの役がきちんと煮詰まっていることを感じる。
ウィーンのカフェの場面で「ミルクはどこへ行った!」と銀鏡に並ぶ姿。
暁トートと風間ルキーニの並びも素晴らしかったが人数が少ない、かつ下級生ばかりとは思えない迫力だった。
こんな新人公演を見せられては本公演の上級生達にもかなり刺激になったに違いない。
よく新人公演後は上級生の芝居も変わるという。
学年に関係なく刺激を与え合える宝塚ってやっぱり素敵。