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No Takarazuka No Life

宝塚花組「MESSIAH/Beautiful Garden」観劇

「ポーの一族」以来久しぶりに花組を観劇した
観劇回数が圧倒的に少ない組のため知らない方が多いのだけど
「MESSIAHー異聞・天草四郎ー」面白かった!
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島原の乱と天草四郎

「島原の乱」は誰もが教科書で習った歴史的なイベント。
天草四郎は海賊出身で嵐で難破して流れ着いたのが天草の地だった。そこで助けられた際に天草四郎、という名付けられたという設定。
天草の民は圧政に苦しめられていた。
彼らの拠り所は「ゼウス」。
神は耐えられない試練はお与えにならない、と信じ、祈りながら、人々は苦しんでいた。
現世がどんなに辛くとも、死んだのち「ぱらいそ」に行けると信じている人々に四郎はいう。
「生きてこそ」「生きるものを救ってこその神」ではないのか。
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神は自分の中にいる

生きてこそ。なぜ神は現世でお救いにならないのだ。
難破して死にかけていた四郎を救ったように、人は人を救える。
神は自分たちの中にいるのだ。
3万7千の民を率いて起ち上がった天草四郎。
大階段を使って城に立て籠もった戦闘シーンを演出したのは迫力があり素晴らしかった。

マリアの歌声

南蛮絵師が描くマリア像のモデルにもなった流雨(ルウ)演じる仙名彩世さんの歌声が美しく清らかで透明感があり、聖母にふさわしいものだった。
魂に響いた。

フェアリーのように美しく儚いイメージを明日海りおさんに勝手に抱いていたのだが、とんでもない。
男らしく、たくましく、骨太でものすごい求心力とオーラを感じた。
さすがトップ就任5年目。

ショー「Beautiful Garden」

対して、ちょっと地味で期待はずれだった。野口幸作先生ということで期待値ばかり上がっていた。
2番手の柚香光さんの使い方が半端ない。
2番手とはこういうものか、と思う。
本来2番手は一番面白い時期だから、柚香さんは今色々な役、場面をもらいたくさん引き出しを増やしているところなのだろう。
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天真みちるさん

退団公演。
SMAPの番組で”タンバリン芸”を披露し”タンバリン芸人”としての地位を確立していた。
タカラジェンヌっぽくない(いい意味で!)。街でも話しかけられることも多かったという。
たまたま他の組の観劇に来ている天真さんと重なったことがある。
客席降りしたトップさんにタンバリン持ってないの?と振られて持ってきていた!タンバリン芸を披露されたのが衝撃的だった。
親しみやすい天真さん。
今回中詰の客席降りでもたくさんの手が伸ばされていて大盛り上がりだった。

娘役が百花繚乱

お芝居では気づかなかったのだが、娘役が粒ぞろいだ。
城妃美怜さん、華 優希さん、音 くり寿さん、そして舞空 瞳さんが一気に候補に躍り出た感じ。
舞空さんは102期での初舞台ロケットの様子をよく覚えている。
一人お姉さんが代役で入ってるんじゃないかって存在感、先輩感、完成していた。
ここは娘役の競争が激しそうだ。

ショーの最後の曲が素晴らしかった

一瞬さよならショーを観ているのかと錯覚するくらい心に響くメロディと歌詞。
フィナーレ大階段の明日海さんの音楽が良すぎる。
幼い頃より憧れた花園。一人一人がその花を咲かせる。
タカラジェンヌは一人一人がお花。
まとまって同じ花を植えた花園も美しいが、様々な種類のお花が色とりどりに咲いているのもまた美しい。
こんなになんでもできて美しい方たちでもコンプレックスと戦い日々磨きをかけている。
バラは百合になろうとしなくていい。チューリップだっていい。
チューリップのまま美しく咲けばいいんだ。
宝塚を観るといつも色々な感情が沸き起こるのだけれど、今日はなんだか気合入った!