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No Takarazuka No Life

破天荒フェニックス 田中修治 幻冬舎

久しぶりに小説を読んだ。
「破天荒フェニックス」
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池井戸潤さんの作品が好きで夢中で読んだことが記憶に蘇った。
下町ロケット、ルーズヴェルトゲーム、半沢直樹。

最後に読んだ小説は「阿弖流爲」

約1年前。
基本的に舞台の原作があってもほとんど読まないのだが、阿弖流爲は…帯につられて買ってしまった。
登場人物と書き言葉のトーンに慣れないうちはしんどいのだが、だんだん物語の世界に没頭し始めると、一気に没入。感情移入して読み込むと小説は魂が揺さぶられる。
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ビジネス書やハウツーなどではない小説。

他人の人生をなぞる。

人間は一つの人生しか生きられないが読書をすれば無数の人生を体感できる

「読書という荒野」で見城徹さんが書かれていたことが脳裏をよぎる。

「オンデーズ」という実在するメガネチェーン店の再生物語。

起こった事実をベースにしながらもフィクションとして語られる。
意地の悪い銀行との融資を巡る交渉場面ではCFOの海野さんと同じように憤り、はらわたが煮えくりかえるような思いをし、
沖縄やシンガポールの新店舗オープンで成功を収めた時には同じように歓喜興奮し。
まるで自分もその場にいたような臨場感で読んだ。
商品部の高橋部長が亡くなるシーンでは嗚咽が止まらず。
会社の昼休みだと言うのに、困った。

やっぱり感情移入ができる小説こそ面白い

私は想像力が人一倍豊かだと自負している。
長所でもあり短所。
たとえば小説なら入り込みすぎて戻ってこられなくなる。
人間関係なら「割り切り」が下手くそで情に流される。
今回もしばらくは戻ってこれそうもない。

誰に一番感情移入して読んだか

バイタリティ溢れる台湾進出リーダーに手を挙げた女性が出てきたが、私は感情移入出来なかった。
海外の現地採用の女性たち。ディベロッパーの織部さん。やり手のすごい女性ばかり。
私が仕事などで日々感じる「あー、やだなー。気が重いなー」って思うことなんて、この物語の登場人物たちが背負ってるものに比べたらなんて甘いことか!
私が一番好きなのは藤田社長。
田中さんを信じて応援する思い切りのよさ。社長が信じるなら私たちも(田中さんを)信じます、と社員に言わせる人望。おおらかさ。
私も藤田社長と焼き肉一緒に食べに行ってお悩み相談したい・・・・・。もう、なんか大好き!!

小説を読むと他人の人生を生きることができる

感情移入できないな、私はちょっと考えが違うな、と気づけたり、自分まだまだ甘いな、と足元を見直したり。
そんなことに気づけるのも小説を読む醍醐味であり、意味だとようやく腹落ちした。
夢中になりすぎて他のことが疎かになるから小説って、手を出すのが怖いのだけど、これからは毎月読むようにしよう。

破天荒フェニックス。面白い。